家の知識:リフォーム編 [ リフォームのポイント ] :: キッチン

キッチンのリフォームは奥様にとっては一番楽しみなものです。何よりも使い勝手がよく明るい機能性のあるキッチンが理想です。この部分のリフォームに関してはショールームにて事前に確認し、体験される事を強くお勧め致します。

工事における注意点を幾つか列記してみます。
まずは水周りですが、古くなった既存のキッチンを取り除いた時に壁際の材木や床下の腐食がないか必ずチェックしましょう。床下の湿気や漏水により下地材木や合板が腐食しているケースがよくみられます。下地の補修もなしでそのまま新しいキッチンを据え置く業者もありますので、工事はしっかり見ておくことをお勧めします。また、既存のキッチンよりも大きなキッチンに取替え、壁や柱などを抜く場合は構造のチェックは欠かせません。同様に換気扇の位置が変わったりする場合も柱の位置に注意しないと新しい換気扇が取付できないこともありますので図面等で事前に確認する必要があります。
換気扇の知識として一つご紹介致します。一戸建ての昔の換気扇は殆どがプロペラファンというタイプのもので、一般的に『換気扇』と呼ばれるものです。換気扇が30センチ角で壁から直接排気するタイプです。現在の換気扇はプロペラファンも当然ありますが、主流はシロッコファンと呼ばれるものになっています。お洒落な形のものや、電動で格納するものなど豊富な種類が売り出されています。これは従来マンションに対応する換気扇でしたが、15センチくらいの丸い排気ダクトにより屋外へ排気するものです。長年プロペラファンをお使いの方がシロッコファンに換えられると、煙の吸いが悪く感じます。排気効率の数値上ではあまり変わらなくても実際にそういうクレームもあります。シロッコファンの購入をご検討される場合は十分納得の上ご検討下さい。


キッチン床下の湿気
キッチン
床下の湿気

 


 
 

レンジフードシロッコファン
レンジフード
シロッコ
ファン

 


 

レンジフードプロペラファン
レンジフード
プロペラ
ファン

 




家の知識:リフォーム編 [ リフォームのポイント ] :: 浴室

浴室のリフォームは、現状のお風呂がタイル張りなら少し大掛かりになります。
通常、浴室のリフォームを行う場合は同時に洗面所も一部変更を伴います。
タイル張りの浴室の場合、床下への漏水による土台等の被害が考えられます。
そういう場合に対応する為余裕をもった工程を組むことが大切です。(お風呂に入れない日数も考える)
ユニットバスはメーカーのショールームでしっかりと機能の説明を受けて実物を見ながら決められることをお勧めします。
工期は通常の場合約4日程度かかる工事となります。工程的には

  • 1日目→既設浴室解体+土間コンクリート
    (ユニットバスを設置する場合は必ずコンクリートを打たなければなりません)
  • 2日目→設備配管(給排水・給湯・追炊き配管)及び大工工事(窓等)
  • 3日目→ユニットバス本体施工
  • 4日目→洗面側大工工事及び壁クロス床クッションフロアー補修

浴室のサイズを変更したり、洗面所側の工事が増えると工期は延びます。
現在発売されているユニットバスは多種多様で、機能もかなり充実しています。
お好みのメーカーでいろいろと体験をされては如何でしょうか?
ユニットバスの施工は発注前の現場調査を念入りに行う必要があります。
例えば、1間x1間の間取り(1坪)であっても建物に傾きが生じていたりすると入らない場合があります。建物が傾いていてもユニットバスも同じように傾けて施工することはできません。また、構造材(梁等)によりユニットバスの設置高さが確保できない場合もあります。図面があれば図面で確認、点検口があればそちらから必ず高さの確認も必要です。点検口がない場合はわざわざ事前に設置するケースもあります。高額なユニットバスを発注する訳ですから事前の調査を怠ると大変なことになります。こういう作業は施主が自ら行うものではありませんが、業者に見積依頼をされる時の判定材料にもなります。


浴室土台のシロアリ被害
浴室土台の
シロアリ被害

 


 

タイル張りの浴室
タイル張り
の浴室

 



洗面所の天井点検口
洗面所の
天井点検口

 


 

建物に傾きや天井裏の障害物がある場合が多い
建物に傾きや
天井裏の障害物がある
場合が多い

 



土間コンクリート・設備配管
土間
コンクリート・
設備配管

 


 

完成
完成

 




家の知識:リフォーム編 [ リフォームのポイント ] :: トイレ

便器の寿命ってどのくらいか皆さんご存知でしょうか?
便器自体は陶器でできているので割れる事がない限り使用できます。しかし、便器に使用されている部品はそうもいきません。部品によっては5年~6年で消耗するものもあります。特に注意が必要なものとして大便器とその下の配水管を結ぶフランジという部品がありますが(大きなゴム製のパッキンのようなもの)、これが消耗すると排水の漏水の原因になります。2階にあるトイレなら下階の天井に、1階にある場合は床下に水が漏れることになります。汚物に含まれる成分により劣化も比較的に早いので、使用頻度にもよりますが、5年程度経過した時点で点検取替をお勧めします。
フランジ以外でもたくさんの消耗部品が使用されていますが、ものによっては取替困難なものもあります。結局、便器自体は10~15年が寿命の目安ではないかと考えます。

最近の便器はいろんな機能の面でかなり進化していますが、昔と比べると使用水量が格段に少なくなっています。
超節水型では4リットル以下のものが、通常のものでも6リットル程度の水で流すことができます。また、従来と異なる排水芯の便器であってもリモデルタイプを採用すると排水管はそのままで施工も可能です。工期の短縮、工事費の節減につながります。


リモデル用排水管

リモデル用排水管

 




家の知識:リフォーム編 [ リフォームのポイント ] :: 外まわり

昨今もっとも悪徳業者の多い外回りの工事。屋根、外壁、塀等 外から見えるのでいろんな業者がインターホンを鳴らし営業に来ることでしょう。これらの工事でポイントをいくつか書いてみましょう。

屋根:「無料点検」「見積無料」にご注意

まず屋根ですが、これは一般的には自分で見ることができません。2階の窓から下屋を見ることができても大屋根を見るのは困難です。しいていえば双眼鏡を使って大屋根の状況を確認する程度です。『無料点検』『見積無料』『瓦がずれている』などと見知らぬ業者が来ても絶対に屋根に上がらせてはいけません。上がったら最後と思って下さい。そういう業者は予めデジタルカメラに劣化の酷い写真を用意して、あたかもその家の写真か のように大変ですよ!と工事の必要性を迫ってきます。見てもらう場合も信用できる人(業者)に依頼して下さい。これは床下も同様の事が言えますのでご注意下さい。

雨漏りしている場合は早急に修理する必要がありますが、原因としては、瓦やカラーベストの割れや、棟ブリキのジョイントの劣化からの浸水が多いようです。それ以外の場合は原因を特定する事が難しいので信頼できる専門家による調査が必要です。よく『屋根の寿命はどれくらいですか?』と聴かれる時ががあります。基本的には見て判断するしかないと思います。瓦が著しく老朽化して見えますが、雨漏りもせず30年経っている家もあります。まだ葺き替えなくても大丈夫であるとは思いますが・・・。寿命と呼ぶ判断は難しいですね。


セメント系瓦の劣化
セメント系
瓦の劣化

 


 

和瓦の凍害による劣化
和瓦の
凍害による
劣化

 



カラーベストの劣化と棟ブリキの劣化
カラーベスト
の劣化と
棟ブリキ
の劣化

 


 

破風板の劣化
破風板の劣化

 


いずれにしても劣化を放置するのはよくありませんので塗装等の処置が必要です。
カラーベストの屋根を塗装する際、まず高圧洗浄を行い付着した汚れを落とします。その後に塗装を行いますが、通常は2回塗りで仕上げ劣が著しい場合は適宜回数を増やし吸い込みがなくなる程度まで塗布します。塗装時の注意点としては、カラーベストの目詰まりをなくすことが重要です。塗装による目詰まりは雨漏りの原因となります。


屋根の高圧洗浄
屋根の
高圧洗浄

 


 

屋根の塗装風景
屋根の
塗装風景

 



タスペーサーによる目詰まり防止
タスペーサー
による
目詰まり防止

 


 
 

 


外壁塗装:見た目はもちろん、水の浸透にも注意

外壁の種類には、モルタル下地塗装仕上げの壁やサイディングの壁、スチール系のサイディングの壁等があります。どの壁であっても劣化が進むと壁材の保護の為塗装の必要があります。塗装時期の目安は壁を触った時に手に白い粉状のものが付着するかどうかで判断できます。これをチョーキングと言いますが触診にて外壁の塗装時期は自分でも判断が可能です。

モルタルとサイディングの壁の場合、チョーキング以外に壁にひび割れ(クラック)等があると水浸みの可能性もあるので補修が必要です。壁内に防水紙が施工されていない場合長期間放置することによって雨水による材木の腐食やシロアリの発生にもつながりますので注意が必要です。サイディングの場合は目地のコーキングの劣化のチェックも必要です。コーキングの破断も放置するとひび割れと同じ症状です。

外壁の塗装工事を行う場合、足場が必要ですのでその際に樋の状態や普段見れない部分の補修もしっかり行いましょう。
外壁の塗装手順も屋根と同様 まず高圧洗浄を行います。壁に付着した汚れを洗い流し塗膜の付着をよくする為です。木造住宅の場合、建物全体の気密性があまり高くないので宅内に高圧の水が入る可能性もあるので洗浄作業には注意が必要です。開口部の窓はできるだけ避けて洗浄する必要があります。
塗装は基本的に3工程です。洗浄の後、シーラーと呼ばれる密着をよくするものを塗布し、仕上げ塗装材を2回塗ります。金額があまりに安い業者は要注意です。この工程を省き、いきなり仕上げ塗料を1回塗りで終わらせる業者も多いと聞きます。下地処理なしで塗ると付着が悪いので1年足らずで塗料が捲れてしまうことになります。その時は安く感じても、結局は高くつくことになります。予め工事内容をしっかりと学習し、そして見積依頼をされることをお勧めします。信頼できる業者がない場合は自分でチェックしないといけません。


チョーキング
チョーキング

 


 

モルタル壁のひび
モルタル壁
のひび

 



サイディングのひび
サイディング
のひび

 


 

サイディングコーキングの破断
サイディング
コーキング
の破断

 



シーラー塗布
シーラー塗布

 


 
 

 


塗装の材料について

塗装の材料に少し触れてみましょう。ペンキの材料は多種多様で名前も複雑です。現在の外壁に使う材料は水性が主流で、種類もアクリル系、ウレタン系、シリコーン系という種類があります。順に価格も上がります。外壁に塗る塗料は防水性のある塗料(弾性塗料)を使う場合が多いのですが、これは外壁のヒビ割れを表に出にくくします。
細かいひび割れ(ヘアークラックと言います)等はこの塗料を塗ることによって表に出ず外観をきれいに保つことができます。
但し、この材料を外部の塀など屋根や笠木のない部分に塗ると厄介なことになってしまします。弾性材料は表面がのびて亀裂が入りません。よって上から水が入るような部分に塗ると、入った水の出口がなくなり中に溜まって下地のモルタル等を劣化させます。その結果、見た目に膨らみが生じて中もボロボロになってしまうのです。プロであっても弾性塗料を塀に塗る知識のない業者がたくさんいます。家の外壁と外部の塀は別とお考え頂き、材料選定を的確にできる業者に依頼する必要があります。


 

弾性塗料施工により膨らんだ門柱塀

 



塗料一例
サイディング用
下地塗料

 


 

塗料一例
屋根用
遮熱塗料

 



下地処理について

下地処理において重要なものの一つにコーキングがあります。聞き馴染みのある言葉だと思いますが、このコーキングにおいてもいろんな種類があって施工に適したものを使用しないと後々問題が生じます。

塗装の下地に使用するコーキング剤は『ノンブリードタイプ』を使用します。通常の材料と異なり上塗りした塗装を変色させません。ノンブリード以外の材料を使った場合、数年後にコーキングの部分が滲んで変色します。美観上よくありません。仕上の塗装がない場合はノンブリードタイプは適しません。(コーキングにひび割れが生じます)
塗装しない場合は変成シリコンという種類を用いることが多いです。この材料に塗装すると滲みます。
上記以外によく電気屋さん等が通常のシリコンと呼ばれるコーキングを配管を留めるビス等に打つことがありますが、このシリコンは上から塗装できません。防水性は問題ありませんが、あまりこのシリコンを使い過ぎると外壁塗装の際打ち直しの手間がかかり過ぎることもあるので、外部にはできるだけ変成シリコンを使用するのがいいでしょう。
これらの事は専門的なことですが、是非リフォームの知識として覚えておけば役に立つと思います。


サイデリングのコーキングの割れ

サイディングのコーキングの割れ

このコーキングはサイディング専用の変性シリコーンを使用します。



コーキングのブリード

 



塗装下地用
ノンブリードタイプ
コーキング


 

変成シリコンコーキング